高樹齢の杉の香りに包まれるリビングシアター

お部屋:リビングルーム
場所:神奈川県鎌倉市
インストーラー:中川 英久
一部写真撮影:垂水孔士様

ホームシアターインストールに於いて、ひとつの到達点として「住環境との完璧な融合」が挙げられます。
勿論専用室を使用して「映像と音声の究極を」という考え方もありますが、人が住み・生活する以上そのベクトルは多岐に渡り答えは一つではありません。

今回ご紹介させて頂く案件は、「住環境との融合」という観点から非常に完成度の高い内容になりました。
現在、もしも専門誌や機材情報等を調べてもピンと来ない方はとても参考になるかと思いますので、是非とも参考にしてくださいね。

今回ご依頼下さりましたアトリエユイム様は、以前からお付き合いを頂いており、とてもクオリティの高い「住まいづくり」がお客様より絶大な信頼を得ている設計士様です。
特に木や土に代表される、所謂「自然素材」に向き合う造詣や想いには凄まじいものがあり、私共もいつも学ばせていただいています。

私共は映像と音声のプロフェッショナルですので、当然それを念頭に置いてホームシアターの提案・構築をしていくのですが、この部分は時として「住み・暮らす」部分を圧迫してしまうことがあります。

残念ながら、テレビやAV機器に代表される「機材」という必須項目が、オーナー様の想いや設計士様の空間プランに馴染まない・入っていけないことがあるということです。

実はこれは程度の大小こそあれとても重要なことで、オーナー様が「何に拘りどう生活していくか」や設計士様が「何を伝えて形にするか」によっては私たちが当たり前に使う機材、「テレビ」ですらが馴染まない・邪魔という感想をお持ちになる方も。

今や情報端末として必須である当たり前の物が普段の生活やデザインに馴染まない、我慢して使用しているという感想をお持ちの方は意外にも多くいらっしゃいます。
ましてや私共はテレビどころかプロジェクターやスピーカー等の機材に囲まれての生活を提案していますので、それはそれは高いハードルを要求することになるわけです。
前置きが長くなってしまいましたが、今回お伝えしたいのは「方法」や「選択」は沢山あるということ。
今回のご紹介は、その部分において説明は全く必要ないと感じる程の説得力が写真から伝わると思いますが、ポイントをご紹介させて頂きます。

【機材からの解放】

プロジェクターが隠されています。
存在感を消すために専用の設置スペースを住居デザインレベルで落とし込むことで、完全に溶け込んでいます。
こちらは照明も仕込んである上、放熱問題もクリアしています。

そしてAV機器や再生機材はキッチンのバックヤードスペースに設定。
こうすることでリビングスペースがさらに有効に使える上に、実際の視聴の際に機材が邪魔をすることも有りません。
余裕のあるサイズ感で無理なく納まり、放熱の心配もありません。

画面サイズは「テレビ」や「スクリーン」を見直すことで「サイズ」や「スペース」の悩みから解放されています。
そして投影する壁面の仕上げは職人さんの達人仕上げの漆喰ですが、これは映像として非常に興味深い画質を見せてくれます。
スクリーンとはまた趣の違う画質なので、一見の価値ありなのですが写真では難しいですね。💦

【リビングから多機能スペースへ】

そしてリビングにデザインされている収納スペースも兼ねたベンチは、どこからでも大画面を楽しめられるフリースペースとしての機能がさらに向上しています。
(余談ですが、本件は実効サイズで200インチ程もあるんですよ!)

サラウンド等の音声は「設置方法」と「内容」を検討することで「視聴位置」と「スペース効率」、「空間デザイン」に貢献します。
据え置きでも天吊りでもなく埋込を採用することでスペース効率と圧迫感の問題をクリアし、最大のネックであるサブウーハーは住居デザインであるステップ内部に仕込む事で完全に隠蔽することに成功しています。
補足としてサブウーハーが何故ネックであるかは、その求められる性質(低音再生や機材の大型化等)から簡単に隠蔽することができない為です。また、サブウーハーは非常に重要な機材ですので、設置空間の状況によってはもどかしく感じることも多々あります。

以上の内容を高い次元で構築することで、完全に機材の見えないホームシアター設置を実現できました。
このスペースに足を踏み入れると、設計士様の拘りである自然素材の杉の香りや土の温もりを感じることが出来ます。
そして、初めて来られる方はこのスペースにホームシアターが現れるとは思いもしないかもしれませんね。(笑)

勿論、こうすることで映画館を再現するようなホームシアターとは方向が違ってきます。

例えば「画質」、これは同条件で高画質テレビやスクリーンを使用した内容に勝ることは有りません。
「音質」、これもルールに沿って設置された環境で再現された音場は得られません。

こうなると私共やメーカーが頑張っている部分から離れていく印象を受けますが、実はそうでは有りません。
機材の視点では、メーカーの尽力により様々な場面に対応できる機能を搭載した機材を制作してくれています。
そして我々インストーラーにはそれを使いこなすハートと経験があります。

完璧に設計された専用室のシアター環境に敵わないまでも、近づけることが出来ます。
そして、同じ環境は一つとして無いオーナー様の環境に融合させることも出来ます。

重要なのは環境構築であり、あくまでオーナー様のイメージや設計士様のデザインに沿うことです。
それが出来ればホームシアターの生活環境への貢献度は何倍に跳ね上がります。
必要なことの本質に目を向けて、適切に選択すれば仕上がるものはとても素晴らしいものになるという好例ですので、是非とも参考にしてくださいね。

<主な使用機材>

AVセンター DENON AVR-X1700H
スピーカー KEF Ci160TR
サブウーファー KEF Kube8b
プロジェクター EPSON EH-TW8400

現在は色々なものが肥大化傾向に有ります。
ホームシアターもその部分から逃れられてはいませんが、一度原点に戻って本質とシンプルさを追及することが出来れば、本件のような素晴らしい内容を実現することができます。

現在設置導入に関してお悩みの方、どんな内容でも構いませんので私共にぶつけてください。
必ず最善・最適なご提案をさせて頂きますので、心よりご相談をお待ちしています。

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