ホームシアターインストーラーの仕事132~大建工業の調音材を使ったシアター②
大建工業のオトピタを使って聴音しました。聴音前の状況は吸音天井が大建リビングトーン、床にはカーペットが施工されてます。後、吸音を計算できる所はソファー位です。壁面はビニールクロスなのでほぼ吸音はしません。窓がありますがロールスクリーンを窓内に設置していますのでこちらも同様です。一般的に専用ルームはモノが少ない為、積極的に吸音処理を行わないとオーディオやシアターをするには響き過ぎる部屋になってしまいます。響き過ぎると…、簡単に言うとカラオケのエコーを掛けた状態で映画を見ているような感じになります。それでは映画の感動もどこれやら・・・です。
さて、何も調音処理をしていない状況では、話し声でさえ響いているのが解るほど。事前に現状を残響シミュレーションするとかなりライブな感じ。高域はリビングトーンとカーペットで抑えられていますが、中低域(250~500Hz)が大きく盛り上がった状態。フラッターエコーも盛大に出てます。フラッターエコーは向き合う広く平らな面があると発生します。
このままではこもった音が前に出て音量を上げれない、迫力が出ない、セリフも明瞭には聞こえない状態になります。対策としては高域はあまり落とさずに中低域を中心に吸音を行い、それと同時にフラッターエコーを止める。そこで今回は大建工業のオトピタ01/中高域吸音用8枚とオトピタ02/中低域吸音用14枚使用しました。
適当に貼ってる(笑)ように見えますが、ソコソコ計算してます。フラッターエコーは高域のノイズなので01が効果的なのですが今回は01の枚数が少ない(増やすと高域を必要以上に落としてしまいます)ので貼る位置が非常にシビアです(≧∇≦)オトピタ01と02は縦横の大きさは同じですが厚みと構造が違い、それによって吸音する周波数帯が違ってきます。
カーテンなど薄い生地のものは高域は吸音しますが中低域は弱いです。吸音を狙って壁面全体にカーテンを設置した場合、効果は高域だけで中低域は吸音しないので、艶がなくこもった音になってしまいます。吸音するにもバランスが大事です。
ライティングは3ゾーンに分けて調光。ipadコントロールにてシアター共々一括制御しております。映像、音響機器を置くだけではシアタールームとは呼ばない。環境(音調/調光/使い勝手などなど)も整えてこそシアタールーム。感動が何倍も違ってきます。
フラッターエコー対策で面白いのは1番派手に響いているところに取付けて確認をしたら今度は反対側の壁面から明瞭な(笑)フラッターエコーが出現したり、、、何カ所ものフラッターエコーが重なっていたんだなぁと解り、一カ所づつ退治していきました。最後の一カ所、向って左後方の4枚はピンポイントでここじゃ無いとダメな位置になりました。
視聴にはドルビーの2012デモディスクのトレーラーを使いましたが、とてもいい感じ。かなりボリュームを上げても持ちこたえる部屋となりました。迫力のあるアクション映画を堪能出来る専用ルームの聴音完了しました。
ホームシアター工房 田中雅史
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